自然学歳時記

     キク(菊)

             高槻市菊花展から
 菊の香薫るころになりました。『万葉集』には157種の植物が登場するも菊を詠んだ歌は一首もないところから、薬草や観賞用植物として奈良時代末か平安時代初めに中国から伝来したと考えられています。平安時代に入り、『古今和歌集』あたりから盛んに歌にも詠まれるようになり、春のサクラに対して日本の秋を象徴する花となりました。決定的になったのは、鎌倉時代の初め後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み、「菊紋」を皇室家紋とした頃からのようです。では菊の節句とも呼ばれる重陽の節句(旧暦9月9)が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会として行われています。現代ではパスポートの表紙にも使われ日本を象徴する花という意識を持つ人も多いようです。

 菊花展終りし菊を抱いて来し  稲畑汀子  ホトトギス 1999年11月                      (俳誌サロンから)

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