“山門水源の森”見学散策行記録感想文        森林文化科 児玉利恒                               
1.日時 平成194月6日 1030分JR永原駅前をスタート

○研究科生車2台、予約タクシー1台に分乗13名にて西浅井町斎苑前駐車場、“山門 水源の森” 入り口まで移動、タクシー代2200円。
○当初10時到着即時スタートの計画であったが京都駅で新快速車両事故発生。各駅停車に乗り換え近江今津で乗り継いだため約30分遅れ永原駅到着。トラブルがあった割には幸運

2.散策コース記録

A.入り口から150m程度入ってところに“やまかど・森の楽舎(まなびや)”が設置されている。
○周りに湿地ビオトープ、バイオトイレがあり、楽舎の展示室内は5-6人程度座れるテー ブル、椅子も配置されている。小休憩可能か?
○帰路“山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会”の藤本先生(違ってますか?)に遭遇。多数のメンバーがパンフレットを500円で購入。
B.“やまかど・森の楽舎(まなびや)”から650m位登ると掲示板のある観察周遊コース入り口に到着する。そこから右のほうに進みやや急な“アカガシの森“に向う山道を登りで700m位で、健脚コース散策コースの分岐点に到着する。

C.我々は分岐点より健脚コースを進み、急勾配を登攀、1100m進んでブナの森入口
付近のの最高地点(500m?)に12時ごろ到着。途中休憩は1回、登り始めより40分で倒着、昼食とした。最高地点での見晴らしはブナ林の落葉に助けられ現状では比較的良いが 、木々が葉を付ければ難しくなるだろう。
○東側に開ける山々は、まだ積雪が観測され、近くは横山岳、金糞岳、伊吹山、遠くには能郷白山、冠山が見えるはずだが、初めての景色で残念ながら識別不能、表示板ができれば初回の入山者にも好都合ではと痛感。昼食後ブナの森を通過、500m進んでヒノキの森入り口に到着。リュック等を尾根道に置き、軽装で大滝川源流観察に谷間をくだり、5分くらいで谷底に到達。かなりの推量の水源を確認した。

D.また尾根道に戻り500m位進み、山門湿原に到着。10万年前に誕生した高層湿原で
25千年前の九州姶良(アイラ)火山の噴火の形跡も地層に残っている由。
○湿原中央の野乾燥地帯にはイヌツゲが群生し始めており、だんだん乾燥しつつあるように見えた。
湿原北東は谷筋が二つに分かれており、中央には大型の炭焼釜が設置されていた跡がある。昼間はちょうど谷風が当たるところで好条件の炊口配置と見えた。手前湿原との間の乾燥地には放置されたクヌギ(ミズナラ?)の萌芽再生樹木林があり里山として利用されていたことが伺われるがあちこちにある悲しい現実に遭遇した。もう利用価値はないものだろうか?

E.湿原の谷から上がると上記B地点に到着。“やまかど・森の楽舎(まなびや)”を経由、予約してあったミニバス入り口3時半に間に合わせて下山。2台の車と一緒に永原駅に到着後解散とした。11名、帰りは1645分の新快速で近江今津で増結車両で無事座席確保し帰阪。ご苦労様でした。

3.樹木、草花などの自然観察

F.樹木
  シロモジ、クロモジが黄色の花を、タムシバが白い花を咲かせ満開。タムシバはからも 遠望され白く咲き誇っていた。桜は、キンキマメザクラ(?)という種類らしい。山桜 のため満開でも楚々。見慣れたソメイヨシノには見劣りするが、新鮮味があってで好感 が持てた。椿はユキバタツバキが開花。まだ花は一輪、二輪程度。かなりの数が見られ ることからもう少し暖かくなると見事な眺めになるかもしれない。
  落葉樹は5月、6月に期待。降り積もった落ち葉の分厚い絨毯の感触は十分楽しめる。G.草花、シダ類他
  ショウジョウバカマが薄いピンクに始まり薄い赤、濃い赤と散策コースのあちこちに咲 き乱れていて楽しめた。イワナシ、バイカオウレン、ミヤマカタバミ、キワイカリソウ はわずかながらも観察。インターネットに有ったトクワカソウは残念ながら見つけられ なかった。豊富な植生の草花はもう少し暖かくなってから期待できると思う。
H.鳥、昆虫その他小動物
  日本海側からの鳥の渡りの道からは少し西側にずれているように見えるが時期になれば ある程度観測出来るのではないだろうか?昆虫類の活躍はまだじき尚早、結果、鳥もヒ ヨドリ、ウグイス、カッコウの鳴き声を聞いたのみ。これもいま少し暖かくなってから の期待といえそう。

4.今回の森林自然観察を終えての感想
  放置された里山の自然を回復しようとしている努力のあとがあちこちに見られ、京阪神 地区の水源を守ろうとする地元の皆さんの意気込みが強く感じられた。なにか我々でも できることがあればと思ったが如何なものだろうか?

以上 

  淀川の水源を訪ねて

  今回は、湖北を流れる大浦川の山門水源を訪ねた。
  淀川の源流は紛れもなく琵琶湖であるが、そこに流れ込む河川は、500余とも云われ
  その中で大阪湾から最も遠い川が「淀川の源」とされている。いわば元の元ということになる。

  
 となると、我々が今回訪ねた大浦川の山門水源からはもう少し北東の滋賀、福井の県境、栃ノ木  峠あたりを水源とする河川になるかも知れない。また、その辺りは日本海に非常に近く、かつま  た、分水嶺が山門水源の北、深沢峠へと南下している。
   このことは遠く平安末期、平清盛の「日本海から琵琶湖に至る運河」の想いから秀吉、江戸、明  治、大正、昭和の「日本横断運河計画」までの各時代で、このあたりを舞台とした「運河」の想  いがあり、男のロマンですまされない先人の物語も分かるような気がした。
  山門水源の森は4〜600m台の極く普通の山で登山としては面白くない。今回のように淀川の  水源を訪ねてという目的をもって行くところである。
   約3万年の歴史をもつこの森は、アカガシの森、ブナの森、ヒノキの森があり人工林であるヒノ  キの森の枝打ち等比較的整備され、常、落、針とバランンスよく、その他アカマツ、コナラなど  も多く見られ四季折々の風情を楽しむことが出来るのではと思った。
  水源の森の南には、雨水が溜まって出来た山門湿地がある。この湿地には、ミツガシワ、サギソ  ウ、エドリンドウ、ハッチョウトンボなどめずらしい動植物も多いとされている。また、この湿  地には、鹿児島や奄美喜界島の火山噴火の灰が溜まっている。偏西風に乗ってやってきたのだろ  う6300年も前のこと。
   湿原の出口?に里山の里山たる炭焼窯の跡があった。
  最後にこの森は、湿地共々色をのせると四季つれづれに趣が、グーと変わるだろう特に、秋が似  合うのでは。

  平成19年4月10日            森林文化 長野正成