つれづれ昆虫採集日記

北海道編その2 平成20年7月17日〜25日

 7月の北海道は大阪の暑さとは別天地。
 北の大地、本州では高山に生息する蝶が比較的標高の低い地域でも見られる。又、1,000m以上の山では多くの高山植物が見られ、特に大雪山系では特有のダイセツタカネヒカゲ・アサヒヒョウモン・ウスバキチョウ(キイロウスバアゲハ)などの氷河期の生き残りといわれる蝶が生き永らえている。
 今回、前半は札幌在住のM.H.氏の案内で千呂露川林道奥に入りツマジロウラジャノメ北海道亜種に会いに行くが、例年に比べ個体数が非常に少なく、3人で1頭採集、3頭目撃に終わった。来年も調査の必要に迫られた。西春別・泉川ではイシダシジミ(アサマシジミ北海道亜種)も余り多く見られなかったがフタスジチョウの多さには驚きだった。続いて大雪周辺の林道に案内してもらい、ベニヒカゲ・クモマベニヒカゲ・オオイチモンジを狙った。林道のポイントにはトラップを仕掛けてオオイチモンジの♀・黒化型を採集する多くの同好者が陣取っており、中には何日も同じポイント近くでキャンプしている林道滞在組もいた。後日、長野県でオオイチモンジが天然記念物に種指定されたため、北海道に押しかけているとのことが判明。毎年オオイチモンジに会わないと夏が来たように思わない人が多いようだ。
 後半、札幌で昆虫科の伴・小林氏と合流し、次の日は伴氏と2人一路滝上町へ。雨の中、やっとカラフトセセリを採集した。1999年7月に滝上町で最初に採集されたこの蝶はアフリカ大陸の一部からユーラシア大陸北部、サハリンまで広く分布し、北米大陸には本来分布していなかったがオオアワガエリ(チモシー)の種子と共に持ち込まれた帰化昆虫と考えられている。生態を観察してみると、セセリチョウ特有のジェット戦闘機のような敏捷性はなく、飛翔力も強いとは言えず、どちらかというと弱々しく飛び、すぐに止まり、簡単に採集できる。採集者が、入れ替わり立ち寄っているにもかかわらず、この蝶が生き永らえているのは@繁殖力が非常に強いA帰化動物に有りがちな天敵がいないBその両方なのか?
 その後、再度大雪周辺を回るが、熱帯低気圧を連れてきた雨男(?)氏が天気を悪くしたようで、余り蝶が活動しなかった。又、連休が終わると同時に工事が始まった林道では一般の入林が禁止され、採集・観察は芳しくなかったのは残念だった。
                             昆虫科 橋 耕二
昆虫の写真はクリックすると少し大きめの写真を見ることが出来ます
エゾシロチョウ カラスシジミ イシダシジミ
カラフトセセリ(1) フタスジチョウ カラフトセセリ(2)
ベニヒカゲ イチモンジチョウ ヒメキマダラヒカゲ
NPOこどもとむしの会 http://www.konchukan.net

シニア自然大学 昆虫科