UP 2007.9.23 HRY
トヨタ白川郷自然學校見学
| ■日時:2007.9.13(木)/14(金) ■場所:岐阜県 白川村 ■交通:貸切バス ■宿泊:トヨタ白川郷自然學校 ■参加者:環境科35名 |
本校はトヨタ自動車が自然環境を守るための人材育成を目的に建設したもので、環境、生活、文化の新しいバランスをコンセプトとした最新施設です。世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」に隣接した好立地にあります。白川郷の伝統文化、白山山麓の大自然、自然との共生をめざす学校のあり方などを学ぶ有意義な宿泊研修でした。
行程:第1日 9月13日(木)
新大阪駅0830→(名神)→菩提寺PA0940→一宮JC→(東海北陸道)→長良川SA(1120昼食1210)→荘川IC1305→白川郷見学(1345〜1530)→トヨタ白川郷自然學校1540・・・ガイダンス、施設見学(1600〜1700)
世界文化遺産 白川郷
片道約5時間余りの車中では、ゆっくりくつろがせてはいただけません。世界遺産検定資格を有する石橋さんから世界遺産「白川郷と五箇山の合掌造り集落」についての事前の研修を受けます。検定試験問題から抜粋した8つの設問とその解説が行われました。設問と解説から白川郷を見てみましょう。貴方はお分かりだったでしょうか。
集落北側の展望所(荻町城址)から、初秋の白川郷全景
★白川郷は何故世界遺産に選ばれたのでしょう
6つの要件のうち下記の二つの条件に合致しているからです。
(1)登録基準のうち、重要な様式の建築物、人類の歴史上、重要な発展段階を示す景観
(2)ある文化を代表する伝統的集落、土地利用の顕著な見本
合掌造り家屋は、日本の農村の民家として、規模、構造とも独特の特徴を持ち、その集落の景観が見事であること。また人里離れた山間の豪雪地帯という悪条件の土地に適応して、大家族制や生産体制に見合った土地利用の顕著な見本であることです。他の世界文化遺産の殆どが寺社建築や城郭建築など権力を背景にしたものであるのに対して、合掌造り集落は民家であり、決して裕福とは言いがたい一般の人々の力で作られたのです。
「結(ゆい)」という制度をご存知と思います。合掌造りには今も人々が生活しています。40〜50年に一度屋根の葺き替えが必要になりますが、集落に暮らす人々総出の助け合いでこの集落は維持されてきました。高齢化の問題などで「結」も少しずつ変容してきたようです。世界遺産に込められた先人の知恵をこれからも住民の手で伝えていこうとする努力が続けられています。
★何故合掌造りというのですか、その特徴は
![]() 7代続く長瀬家 |
![]() 初秋の集落 |
![]() 5階建ての家 |
(1)合掌造りの呼び名は、2枚の大きな茅葺屋根が丁度手のひらを合わせて合掌している姿に似ているからです。これはお分かりですね。
(2)「切妻形式の茅葺民家」ですが、注意してみると、どの民家も二つの屋根は東西に向いています。三角の妻が南北向きです。屋根に均等に太陽をあてるためです。中には天邪鬼もありましたが・・・。もう一つの理由は村を南北に流れる荘川の影響です。川に沿って南北の風が吹くため、それを妻で受け止めます。川の蛇行で微妙に向きが変わっているところもあります。
![]() 集落最大の和田家 |
![]() 屋根裏を見る |
![]() 骨組みは合掌材をネソ(マンサク)で結ぶ |
★建物の構造は、価値を世界的に広めた人は
(1)茅の材はススキです。厚さ1メートルにもなる茅の重さは40トンにもなるそうです。今は遠く関東方面から調達しているとのことです。この重量を担っているのが合掌材と呼ばれる三角形の丸太です。合掌材の根本はコマ先のように尖がり、「コマジリ」と呼ばれたその先端は2階の床下にある梁の窪みに刺さっているだけで固定されていない。屋根面の骨組みも釘などで固定しないで、縄や「ネソ」と呼ばれるマンサクの若木で結んであるだけです。ネソは乾燥とともに締め付けがきつくなるのです。こうした構造で、妻面に風を受けると、合掌材はコマジリを中心に緩やかに動き、屋根全体が柔らかく動くことになる。風の力に逆らわず、柔らかく受け止めることで屋根の倒壊を防いでいるわけです。
(2)価値の高い建造物として知られるようになったのは、昭和の初期に日本を訪問したドイツの建築家ブルーノ・タウトの影響が大きいといわれています。
茅葺の合掌造り稲の秋 二三弥
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白川郷案内図はここをクリック
以上石橋さんのテキストから引用させていただきました。
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トヨタ白川郷自然學校
白川郷から白山スーパー林道の入口に向かい10分、トンネルを抜けたところ標高約700mの馬狩地区にトヨタ自然學校があります。ここは昭和48年に集団離村した30戸の集落の跡地です。以来20年間、遊休地となっていましたが、地域の活性化、企業の環境分野での社会貢献、自然体験教育の普及とレベルアップを図りたいというNPO、3者のメリットが合致し、トヨタ自動車が土地を取得、2004年に自然学校を設立しました。自然体験を通じて自然との共生プロジェクトを進めています。
職員32名(村民、トヨタ自動車、全国各地からの公募者)のNPO法人「白川郷自然共生フォーラム」が運営に当たり、昨年は17,700名の訪問者があったそうです。霊峰白山の麓に広がる「トヨタ白川郷自然學校」は、セミナーハウス、センターハウス、ゲストハウス(宿泊)、温泉施設を備えた、「環境」、「生活」、「文化」の新しいバランスをコンセプトとした最新施設です。「學」という字はさとるという意味があるのだそうです。
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ガイダンス
自然エネルギー100%活用の環境教材を目指した建物は、自然との共生を体感できる構造です。木質バイオマス暖房(ペレットストーブ)や雪室冷房に加え、風力発電・太陽光発電(グリーンコンセント)・自然採光・高気密・高断熱・アースチューブ(夏期は空気冷却/冬期は空気加熱)などさまざまな環境技術のショーケースにもなっています。
![]() ガイダンス、小川職員 |
![]() 運営方式 |
![]() 環境に配慮した建物 |
館内
![]() 雪室冷房 |
![]() 展示室 |
![]() フルコースディナー |
温泉にゆったり浸かり、2時間半にわたり、地元の食材も取り入れたフランス料理のフルコースディナーとワインを満喫。給仕さんも白川村にお住まいの方で、お一人の女性は合掌造りで生活しているとのことでした。
行程:第2日 9月14日(金)
白山山麓自然体験ツアー(0830〜1000)・・・現地出発1050→荘川IC1130→しろとりドライブイン(1200昼食1300)→養老SA1430→桂川SA1545→新大阪駅1645
自然体験ツアー
前日の炎天酷暑から朝方の突然の大雨に驚くが、自然体験ツアーが始まる頃には天気も回復する。2班に分かれて、男女4名の若いインタープリターによるネイチャーガイドを受けながら白山山麓森の散歩道を歩く。シニアのガイドは多いですが、次世代の若者が一生懸命案内してくれる姿に感動します。
![]() インタープリターの皆さん |
![]() 観察路入口で(A班の一行) |
スギ、ヒノキの人工林から落葉広葉樹の森に入ります。フジヅルが多く、森は荒れが目立ちます。特に珍しい植生はありませんが、合掌造りに使われた材を中心に案内が続きます。茅葺のカヤはいわゆるススキですが、オオガヤとコガヤがあります。空洞の茎を持つコガヤが水はけもよくベターです。屋根組を縛る地元でネソと呼ばれるマンサクの若木は、神が授けたロープと云われています。豪雪で腰曲がりとなったスギもハリに使う重要な材です。チョンナハリというのだそうです。クロモジは楊枝に使われることは知っていますが、こちらではカンジキの材料です。ウリハダカエデは籠を編むのに使われます。ブナ、シラカンバ、ミズナラ、ハレギリ、ホウ、トチノキなど皆さんそれぞれに感ずるところがあったことと思います。(写真は同行したB班の記録です)
![]() 森入口のオニグルミで、実を食べる動物は |
![]() クマ、リス、アカネズミ(ぬいぐるみ)と人です |
![]() 合掌造りの茅葺はオオガヤ、コガヤ |
![]() 豪雪で根曲がりとなったスギ |
![]() 保水能力に優れたブナ |
![]() クロモジはかんじきの材です |
これは何でしょう。はい、アースチューブです。森の新鮮な空気を吸い込み、パイプで館内に送り込み換気に使います。
![]() 森の中に立つアースチューブ |
![]() お世話になったトヨタ自然學校スタッフの皆さん |
木の実落つ自然學校観察路 幸子
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白川郷の解説は石橋さん、俳句は秋山さん、鈴木さんから提供いただきました。 文・写真:平山
企画担当:古川 浩
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