阿波座南公園に
ビオトープ池が誕生しました

 4月4日(日)に大阪市西区の阿波座南公園でビオトープ池の誕生を祝ってオープニングセレモニーが行われました。昨年(2003年)の6月に計画が具体化して以来、10ヶ月に亘って様々な形で私たちビオト−プ科が関わってきましたので、この機会にその工程を振り返ってみたいと思います。

一輪車で土を運ぶ子供たち



阿波座南公園はこんな公園です

 地下鉄四つ橋線の本町駅から徒歩で約8分のところにあります。5,000uほどの広さがあり、林立するビルに囲まれた公園としては比較的大きな公園です。クヌギ・シラカシ・コナラ・スダジイなどのシイ・カシ類を始め、イチョウ・ケヤキ・サクラ・クスノキ ・・・ などたくさんの木が植えられており、植生豊かな公園です。



私たちビオトープ科の関わり方

 『大阪市 ゆとりとみどり振興局 緑化推進部 公園整備課 』の依頼を受けて、具体的な計画づくりの初期段階から参画しました。昨年の11月に実作業(池づくり)に入ってから3月末の工事完了までの5ヶ月間に亘って、現場の指導・監督という役割でお手伝いをしました。
 その間、何度も部内会議を行いました。地域の皆さんが参加する工事は日曜日だけでしたが、その下準備とか、やってもらう作業の割り振りなどを決めるために、当公園内の公民館に出掛けて会議することが多かったのです。右の写真はその会議風景です。


ワークショップの開催
 ( 6月〜7月)

    ビオトープは”作る作業”以上に、”如何に上手く維持管理をするか”が大切です。今回の公園ビオトープ作りに当たっても、「自分たちの公園に作るビオトープなんだ」という地域住民の皆さんの”参加意識”を高めるために、6月・7月の2ヶ月間に計4回のワークショップが開かれました。

  ワークショップには小学生からお年寄りまでの幅広い年齢層の地域住民の皆さん・市の公園関係者・設計コンサルタント会社の社員・シニア自然大学ビオトープ科のメンバーが数十名ほど集まり、『どんなビオトープを作りたいのか』について住民の皆さんの意見・要望をうかがいました。6つに分けられた住民のグループそれぞれに私たちビオトープ科のメンバーが入り、色んな質問に対してアドバイスをしました。

 「トンボやチョウチョが飛んでくる公園がほしい」(小学生の子供たち)や、「池のほとりにベンチを置いて、のんびりと日向ぼっこがしたい」(お年寄り)など、たくさんの希望がだされました。公園のどの位置にビオトープ池を作るのか、どんな形にするのか、どれくらいの大きさにするのか ・・・ をイメージ・スケッチにしたのが下の図です。


 絵の中央にある水色の部分がビオトープ池です。オタマジャクシの頭のところが池で、そこからポンプで吸い上げられ、パイプを通った水が流路(小川)に吹き出される口は左下の尻尾の先にあります。そこから流れ落ちた水は尻尾(小川)を通って池に流れ落ちます。


当ビオトープ池の概要 ・・・

 池の広さ:約65u
  〃 深さ:約50cm
 流路(小川):約24m
 水の噴き出し口と池水面の高低差:約30cm


工 事 の 記 録

 昨年(2003年)の11月から今年の3月までの5ヶ月に亘って行われた工事を、工程毎に順を追ってご紹介します。

地面への描画と重機による掘削

 ( 11月〜12月 )

 ワークショップで得られた住民の皆さんの意向を汲んで、公園事務所と設計コンサルタント会社で計画が煮詰められ、詳細な設計図が出来上がりました。それに基づいて公園の地面に石灰で絵を描き、ユンボで池や流路が掘削されました。

石灰で描かれた流路 ユンボによる掘削

掘り上がった池


池や流路の整形

 ( 12月 )

 重機によって掘削された池や流路を、住民の皆さんの手によって幅を広げたり底を深くしたり、また「まさ土」や「田土」を入れて整形しました。

一所懸命に手伝ってくれる子供たち テレビ取材が入った(桂小米朝さん)
    ( 黄色いジャンバーは当ビオトープクラブが作ったユニフォームです )

整形を終えた池


植栽の下準備

 ( 1月 )

 2月に実施する植栽のために、池の斜面や流路の両岸に植生ロールや植生マットを敷き詰めました。

  植生ロール:椰子殻の繊維で出来ている。護岸の役目をすると同時に、
          草本の苗床になる。

流路に植生ロールを置いた(右はマサ土をかぶせ、石を置いて完成した護岸)

池の斜面には植生マットを敷いた


池の護岸工事

 ( 2月 )

池の護岸工事を行いました。また、池から吸い上げられた水を流路へ流すため「吹き出し口」や、池からオーバーフローした水を排水口へ導くための「吐き出し口」の工事も行いました。


当ビオトープの池や流路で採用された護岸方法

石護岸 植生護岸 敷石護岸 石積護岸 草留護岸 杭護岸 ・・・ などです。 下に「石積護岸」と「杭護岸」の写真を載せました。

石積護岸 杭護岸

水の吹き出し口の工事 オーバーフロー配管工事


池周辺や流路への植栽

 ( 3月 )

 池の周りや流路に植栽を行い、流路や吹き出し口に化粧を施して、全ての工事が完了しました。

植栽の位置決め
( この場所には○○を植える、と標識を立てた )


植栽した草木 ・・・

( 草本 ) シャガ アゼスゲ ジュズダマ ミソハギ セリ
        ミクリ オモダカ セキショウ ユキノシタ
        ヤブラン シュンラン ヤブカンゾウ ・・・ など

( 木本 ) サンショウ ハギ類 ナンテン コムラサキシキブ
        ウメモドキ アケビ マンリョウ ガマズミ 
        サンシュユ マユミ ヤマグワ ・・・ など


流路の回りに植栽する

子供たちも一所懸命に草を植えてくれた

全ての工事を終え、満々と水をたたえる池

工事の完了を祝い、小川に笹舟を流す子供たち


ビオトープ池誕生セレモニー

 ( 4月 )

 地域の皆さん・府や市の議員さん・工事に携わった関係者の皆さんが公民館(明治連合会館)に集い、ビオトープ池の誕生を祝いました。その席上で主催者から「NPOシニア自然大学 ビオトープ科」に対して感謝状が贈られました。 一方、池の周りでは子供たちがメダカを放流して、ビオトープ池の誕生を祝いました。

会場内風景 感謝状を受ける
ビオトープ科の丸一代表

子供たちによるメダカの放流


 大阪市西区という都会の真ん中にビオトープ池が誕生しました。10ヶ月に亘って工事に関わった私たちビオトープ科のメンバーも感慨ひとしおのものがあります。

 ビオトープは工事が終わったらそれで完成 ・・・ というのではなく、ビオトープが ”誕生”したのです。幸いにして自治会の皆さんのビオトープに対する意識は非常に高いので、きっと素晴らしいビオトープに育ててくれることで しょう。私たちもそれを見守り、折りに触れてアドバイスをして差し上げたいと考えています。



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